2022年4月7日 【順天堂大】消防団員に多発するけが予防へ 消防基金が共同で開発した運動プログラムを動画で公開

■ポイント□

○消防ポンプ操法訓練で多発する「ハムストリングの肉離れ」や「足関節捻挫」の説明をはじめ、けがが生じやすい場面やその動作などについて理解が深められるよう、スポーツドクターによる解説動画を公開

○「ハムストリングの肉離れ」などの下肢の筋腱断裂・損傷や「足関節捻挫」の予防には、日頃のウォームアップやトレーニングによる十分な体づくりが重要であることから、それぞれの目的に合わせて実施できるように「ウォームアップ編」と「トレーニング編」に分けた二つのエクササイズを動画で紹介

 

順天堂大学医学部スポーツ医学研究室は、全国にいる消防団員の公務災害補償等の事業を行う消防団員等公務災害補償等共済基金(消防基金)と共同で、国内の消防団員のけが(外傷・障害)予防・啓発を目的とした運動プログラムを開発し、動画を公開した。

消防団員は、市町村の非常備の消防機関である消防団で、他の本業を持ちながら消防防災活動を行う非常勤特別職の地方公務員で、全国で約80万人が活動している。

このような消防団員の活動の多くを占めているのが〝非常時に備えた演習訓練〟だが、特にその訓練のひとつである消防ポンプ操法訓練で、けがが多く発生(公務災害のうち約50%)していることが消防基金による調査から明らかになった。

けがの中でも圧倒的に多いのが、①太ももの裏側にある「ハムストリングの肉離れ」などの下肢の筋腱断裂・損傷と、②足首を内側にひねることで生じる「足関節捻挫」などの下肢の脱臼・捻挫。これらは競技中のアスリートにもよく生じるけが。

そこで今回、消防団員のけが予防を進める消防基金とともに、スポーツドクターをはじめ理学療法士やアスレティックトレーナーが在籍し、アスリートのけが予防に豊富な知見を持つ本学医学部スポーツ医学研究室がプロジェクトを立ち上げて、運動プログラムを開発。スポーツ医科学の観点から消防団員に多発するけがに特化した運動プログラムを構築し、全国の各消防団で取り組みやすいように動画で公開している


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