東北大学と東京大学は、官民地域パートナーシップによって東北大青葉山新キャンパス内に整備される次世代放射光施設で、わが国の放射光科学に関する研究・技術の向上、産業振興及び当該分野の人材育成に貢献することを目的として、放射光科学の研究での連携・協力に関する協定を締結した。
わが国では、1974年に東大が放射光専用光源として初めてSOR-RINGを建設したことにより、放射光を利用した本格的な研究が始まった。
従前には存在しない強力なエックス線である放射光は、構造解析、元素分析などに優れ、近年では物理、化学、工学、物質科学、生命科学、地球科学など多種多様な学問分野に広がりをみせ、電池・触媒材料や構造材料、ヘルスケア製品の開発など、産業応用でも不可欠な存在となりつつある。
このような学術・産業利用への発展の背景には、長年にわたる技術開発、基礎学術、人材育成があり、両大学では、これまで放射光科学に関する様々な共同研究が行われ、新たな要素技術の開発が進められてきた。
2024年には、次世代放射光施設が運用開始される予定で、引き続き、両大学の強みを活かして組織的に連携・協力を図ることにより、わが国の放射光科学に関する研究・技術の向上、産業振興と当該分野の人材育成に取り組み、これからの学術・産業の発展に貢献することを目的として、今回、連携・協力に関する協定を締結することとなった。