■ポイント□
○2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、二酸化炭素を容易に再資源化できる技術への期待高まる
○新規材料を用い、従来よりも大幅に低温な400~500度でも二酸化炭素の80%以上を反応させ、再資源化することに成功
○反応速度も工業的な要求を十分に満たせるほどの速さを実現した
早稲田大学理工学術院の関根泰教授らの研究グループは、コバルトとインジウムという元素を組み合わせた新規材料を用い、従来に比べて大幅に低温で効率よく二酸化炭素を再資源化することに成功した。
2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、二酸化炭素を容易に再資源化できる技術が期待されている。しかし、二酸化炭素の再資源化には700度以上という高温な温度条件が必要で、その条件を満たしていても、反応を効率良く進めることが難しい現状にあった。
今回、研究グループは、新規材料を用い、従来よりも大幅に低温な400~500度でも二酸化炭素の80%以上を反応させることに成功した。また、その際の反応速度も工業的な要求を十分に満たせるほどの速さ(材料1kgあたり1日に17.7キログラムの二酸化炭素を転換可能)を実現した。
国内外で数多くの研究が行われているなかで、この研究成果は二酸化炭素の再資源化の社会実装に向けて進むきっかけになり得るものと期待される。
この研究成果は、3月17日にイギリス王立化学会の『Chemical Communications』のオンライン版で公開された。