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琉球大学等の共同研究グループは、医師がエックス線被爆することなく、カテーテルなどを用いた血管内治療の手術トレーニングを行えるシステムを開発した。この研究成果は、冠動脈疾患や脳梗塞、脳動脈瘤などに対する血管内治療に携わる専門医の技能や治療成績の向上に貢献すると期待される。
血管内治療の手術トレーニングは、実際の手術と同様にエックス線透視下で行うため、医師のエックス線被曝が避けられないという問題があった。今回、共同研究グループは、蛍光観察技術[7]と画像処理技術を組み合わせることで、血管内治療に用いられるカテーテル、ガイドワイヤー、ステントなどを、エックス線による透視下での画像で再現した「非被爆血管内治療シミュレータ」を開発した。
このシステムはエックス線透視装置が不要なため、トレーニングする医師は全く被爆しない。また、エックス線透視と同様に、シミュレータの投影方向の情報を削減しているため、従来のトレーニングシステムに比べて、実際の状況再現したトレーニングを提供できる。さらに、システムはテーブル上に設置できるサイズであり、かつ従来法よりもはるかに安価なことから、いつでもどこでも医師がトレーニングすることが可能になる。
この研究開発を行ったのは、理化学研究所（理研）光量子工学研究センター画像情報処理研究チームの深作和明客員研究員（新座志木中央総合病院脳神経外科医師）、横田秀夫チームリーダー（琉球大学医学部先端医学研究センター特命教授）、琉球大学病院心臓血管低侵襲治療センターの岩淵成志特命教授、大屋祐輔教授らの共同研究グループ。
この研究は、『第５１回日本神経放射線学会』（２月１９日開催）で発表された。
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