㈱泉屋(本社:奈良市福智院町)は、近畿大学の技術支援を受けて開発した奈良県産の柿を主原料に使った柿ワイン『柿の音(かきのね)』を3月20日から1000本限定で、奈良県内各小売店様などで新発売する。価格は1本 2200円(税込)。
泉屋では3年前、古都華を使ったスパークリングワイン『古都のあわ』、一昨年はフルーツビール『ならのあわ・すとろべりい』、さらに昨年7月には『古都華サイダー』(炭酸飲料)を世に送り出すなど、奈良の果実にこだわったブランド開発を積極的に推進してきた。
今回の新商品の開発は、奈良県が規格外の柿の有効活用のため、近畿大農学部に柿ワインの開発を委託したのが始まり。その後、泉屋、堀内果実園(奈良県五條市)、近畿大などと共に柿ワインの製品化を模索してきたが、2021年夏に柿ワインプロジェクトを立ち上げ、県の補助事業を活用したことで、製品化に向けて一挙に加速することとなった。
商品化に向けては、製造を飛鳥ワイン㈱(大阪府羽曳野市)に委託。原料の供給を堀内果実園、量産化の技術指導は近畿大農学部の上垣浩一教授、ラベルのデザインの監修を近畿大文芸学部の安 起瑩(あん きよん)教授が行った。
ブドウのワインに柿エキスを添加するのではなく、柿そのものを発酵させワインにした事例が少ないことから、完成までは試行錯誤の連続となったが、泉屋、堀内果実園、奈良県庁職員が粘り強く取り組んだことで、試験醸造ではあるが、完成に至った。