東京都市大学(東京都世田谷区)世田谷キャンパスでは、「新7号館」が竣工した。経産省の令和2年度ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物)実証事業にも採択され、国土交通省が主導する建築物の省エネルギー性能に特化した、第三者による認証制度であるBELSの最高評価である『5スター』を獲得。大規模大学では数少ない「ZEB Ready」(一次エネルギー消費量50%以上削減)認証を取得した。建物本体が1月に竣工し、4月のオープンを予定している。
新7号館は東急建設㈱が施工を担当。東京都市大と東急建設の両者は東急グループに属する大学、建設会社として、2006年に産学連携に関する包括契約を締結(2017年改正)。事業ニーズと研究シーズのマッチングによる共同研究等を行っており、脱炭素社会の実現に向けて取り組んできた。
「新7号館」では、建物の高断熱化をはじめ、室内のCO2濃度に応じた外気量制御や、超高効率の変圧器・空調機を導入することで建物の一次エネルギー消費量を削減した。さらに屋上には太陽光発電パネルを設置することで、創エネルギーも実現した。
その結果、創エネルギーを含む建物全体での一次エネルギー消費量は55%削減(BEI=0.45)を達成。さらに、この建物は防災や交流の面における地域の拠点としての機能も付加しており、地域社会へのより一層の貢献を目指している。
東京都市大では、2029年の創立100周年に向けた中長期計画「アクションプラン2030」の一環として進めるキャンパス再整備事業で、大学運営のさらなる効率化や教育・研究上のシナジー創出に加え、建物の環境性能向上に注力している。今回竣工した「新7号館」は、世田谷キャンパスを貫通する主要な導線が交わる場所に位置して学生アクティビティの中心となるとともに、等々力キャンパスから移転する2学部(都市生活、人間科学)の教育研究もここを中心に展開の予定。