道路橋やトンネル、河川管理施設、下水道管、港湾岸壁といった我が国の社会資本ストックは高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されている。今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に高くなる見込みであり、一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新することが求められている。
インフラは豊かな国民生活、社会経済を支える基盤であり、急速にインフラ老朽化が進む中で施設管理者は限られた予算の中で対応しなければならないため、社会資本のメンテナンス(インフラメンテナンス)を効率的、効果的に行うことが喫緊の課題となっている。
このため国土交通省は、社会資本のメンテナンスに係る優れた取組を表彰し、ベストプラクティスとして広く紹介することで、我が国のインフラメンテナンスに係る事業者、団体、研究者等の取り組みを促進し、メンテナンス産業の活性化を図るとともに、インフラメンテナンスの理念を普及することを目的に、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省や防衛省とともに「インフラメンテナンス大賞」を創設した。
また、社会全体でインフラメンテナンスに取り組む機運を高め、未来世代により良いインフラを引き継ぐべく、産学官民が有する技術や知恵を総動員するためのプラットフォームとして「インフラメンテナンス国民会議」を11月28日に設立し、異業種の企業間連携や技術の融合を加速化し、新たな技術でメンテナンスを推進するほか地方公共団体への支援などを目指して、インフラメンテナンスに貢献する。
博多駅前道路の大規模陥没が1週間で復旧し、日本の技術が評価される中で、インフラメンテナンスがますます重要となっている。