福祉機器開発を行っている株式会社マリス(本社・東京都墨田区)、活躍し続ける工学系人材の育成と知の創造で未来社会へ貢献する国立大学法人九州工業大学の和田親宗研究室、および半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI・IoTにおけるトータルサービス&ソリューション・プロバイダーの株式会社マクニカ(本社:神奈川県横浜市)は、今年3月より実証実験を進めてきた視覚障がい者のための歩行アシスト機器「シーカー」において、AIを活用した危険検知の精度・性能向上に産学連携で共創し、実用化を加速する。
日本では現在31万人を超える視覚に障がいをもつ人が生活しているが、今後高齢化が進むことでその数がさらに増えることが予想される。
視覚障がい者は日々の生活において、周りの状態を確認することが困難なため、公共交通機関を使った移動や、音響式信号機のない横断歩道における歩行など、様々な場面で不自由を強いられ、単独で行動する際には、晴眼者(視覚に障がいのない人)とは異なる危険が伴う。
また、現在のコロナ禍においては、ソーシャルディスタンスの確保が求められ、接触することや助けてもらうことが以前よりも難しく非常に生活しづらくなっている。
マリスは、このような状況下においても危険無く視覚障がい者が外に出歩けるよう、歩行アシスト機器「シーカー」の製品化に向けた実証実験を進めてきた。開発に際しては九州工業大と連携し、画像認識を活用した駅のホームや横断歩道、街中の段差などの危険検知に取り組んできた。この取り組みをさらに加速させるためには、実用化に向けたAIの精度・性能の両方をさらに向上する必要がある。
そこでこのたび、AI技術の実装を300件以上支援し、さまざまな社会課題の解決に伴走してきたマクニカのAI専門家組織が参画することで、「シーカー」の早期実用化を可能にし、社会実装を加速する。
3者は、2024年3月の「シーカー」実用化に向け、視覚障がい者のユーザーに寄り添った最適な技術の調査・検証を来年3月までに実施する。