近畿大学生物理工学部遺伝子工学科(和歌山県紀の川市)と同大先端技術総合研究所(和歌山県海南市)の近畿大学マンモス復活プロジェクト研究チームが取材を受け、全面監修した児童向けのノンフィクション小説『よみがえれ、マンモス!近畿大学マンモス復活プロジェクト』が、12月15日に㈱講談社(東京都文京区)から出版された。
人気児童文学作家の令丈ヒロ子氏が、近畿大マンモス復活プロジェクトを題材に、書き下ろしたノンフィクション小説。未来の研究者・科学者の誕生を願う作者と出版社の想いに共感したもので、近畿大が全面協力。生命科学の研究の面白さや可能性を感じた児童が、未来の研究者・科学者を目指すマインドセットを醸成する。
2万8千年の時を超えてマンモスの細胞核が生物学的な活性を維持していたという世界初の大発見に至った研究にまつわるストーリーを、人気児童文学作家の令丈ヒロ子氏の執筆で、わかりやすい図や解説を織り交ぜ、研究者の心の動きにも触れながら描いたノンフィクション小説。
近畿大マンモス復活プロジェクトチームは、令丈ヒロ子氏と講談社のマンモス研究の面白さを小中学生に伝え、未来の若い研究者・科学者が誕生することを目指したいというコンセプトに共感し、同書の監修に全面協力した。
近畿大マンモス復活プロジェクトチームが、マンモス復活という途方もないテーマの発想に至った経緯、研究を実施する中での紆余曲折、研究に対する情熱を持って挑戦を続けることの重要さ、さらに世代を超えた生命科学研究への情熱の継承の結果として世界初の大発見に至った事績を伝えている。
また、プロジェクトの開始当初とは異なる社会情勢とここ数年の飛躍的な生命科学技術の発展の中で、「マンモスを蘇らせてもいいのか?」という科学者としての自らへの問いかけや、マンモス復活という目標へのアプローチの仕方についてチームのメンバー間で討議を繰り返した。「近畿大学マンモス復活プロジェクト」が「近畿大学マンモスプロジェクト2」へと大きく舵を切る様が、令丈氏によるわかりやすい文体と豊富な図解によって表現されている。生命科学研究のワクワク感やドキドキ感といった魅力にあふれた作品となっている。A5版、128ページ。価格1400円+税。