順天堂大学スポーツ健康科学部は、少食・運動不足でやせている若年女性が抱える健康リスクに対し、スポーツ健康科学のアプローチで解消することを目指したエクササイズ動画を作成・公開した。これまでにあまり運動習慣がなかった女性をターゲットに、自らもトップアスリートであり、女性アスリートの健康に関心を寄せてきた同学部の室伏由佳准教授と、アスレティックトレーナーとしてアスリートの身体に向き合ってきた門屋悠香助教が、自宅で気軽に取り組むことができるエクササイズを提案している。
わが国は、やせ型(BMI18.5㎏/㎡未満)の女性の比率が先進国の中で最も高く、特に20歳代の若い女性では、その割合が約20%と極めて高い状態にある。現在、肥満が世界各国に共通する大きな健康課題となっている一方で、やせていることは〝健康的で良いこと〟と思われがちだが、医学研究科代謝内分泌内科学・スポートロジーセンターの研究グループによる研究から、少食・運動不足でやせている若い女性は肥満の女性と同じように、標準体重の女性に比べて糖尿病の発症リスクが高いことがわかってきた。
今回のエクササイズプログラムでは、やせ女性の糖尿病リスクに影響を及ぼすと考えられる筋肉の〝量〟と〝質〟に着目し、体幹や下肢の大きな筋肉をバランスよく鍛えることを狙いとしている。
また、運動習慣がない人でも取り組みやすくするため、スキマ時間にでき、自分の身体の状態やその日の活動量に応じて組み合わせできるようにしている。
□動画のポイント□
⑴エクササイズを始める前に自分の身体の状態を把握するため、しゃがみこんだり、腕を上げ下げするような基本的な動作がスムーズに行えるか(身体の機能性)を確認する「チェック編」動画を公開。エクササイズを進めながら定期的にチェックすることで、自分の身体の変化を感じてもらうことも目的としている。
⑵「チェック編」をもとに、自分の身体の状態やその日の気分に合ったエクササイズを選べるように3つの運動強度に分けたプログラムを紹介している。(①ゆったりとした強度で〝しなやかな筋肉づくり〟を目的した「ノビノビ・エクササイズ」、②ほどよい強度で〝キレイに鍛える〟ことを目的とした「ニコニコ・エクササイズ」、③しっかりした強度で“じっくり鍛える”ことを目的とした「ドキドキ・エクササイズ」、今後も随時公開予定)。