環境省では、地球温暖化対策のため、2005年の冬から、過度な暖房に頼らず様々な工夫をして冬を快適に過ごすライフスタイル「ウォームビズ」を提唱している。今年度も、各地域の状況や日々の気温、個人の体調、暑さ寒さの感じ方、室内での温度差等に応じた柔軟な服装の選択ができるような環境を醸成するとともに、暖房時の室温(目安として20℃)の適正管理等を行うことにより、一人ひとりが、個々の事情に応じて、快適で働きやすい服装で業務を行っていただくことなどを呼び掛けていく。
また、昨年の2050年カーボンニュートラル宣言を受けて設置された「国・地方脱炭素実現会議」において、今年6月に取りまとめられた「地域脱炭素ロードマップ」では、衣食住・移動・買物など日常生活における脱炭素行動と暮らしのメリットを「ゼロカーボンアクション30」として整理しており、その1つとしても推進していく。
一般社団法人日本百貨店協会、日本チェーンストア協会及び日本フランチャイズチェーン協会では、「ウォームビズ」について取組を行う予定であり、環境省としてもこれらの取組と連携して国民へ呼びかけていく。
日本百貨店協会では、脱炭素社会の構築に向け、地球温暖化対策・節電対策に貢献するためのウォームビズに取り組み、積極的な外気の取り入れ等により空調管理を行う。店内では、冬を心地よく過ごすため、温かく楽しく快適なアイテムやアイデア、役立つ節電グッズを衣・食・住の売場で提案する。
日本チェーンストア協会では、環境対策、節電対策の双方に貢献するためウォームビズに協力し、会員企業では店舗内の室温を適正に管理する。また、お客様に体が温かくなる料理や食材の提案等による暖房の使用低減のほか、家庭での団らんや保温効果の高い服装による暖房の設定見直し等の提案を行うなど、ライフスタイルの変革によるウォームビズの周知に取り組む。
日本フランチャイズチェーン協会では、省エネをはじめとする地球温暖化防止に貢献するため会員企業に対して、ウォームビズの取組を呼び掛けている。会員企業では〝店内を適正温度に設定〟するとともに、お客様に対して〝あたたまる商品〟の販売を行う等、各企業がそれぞれの取組を行う。
さらに、環境省では、普及啓発用ポスターのほか、家庭のCO2排出量等を簡単に推計できるツールとして、省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」、うちエコ診断のワンポイントアドバイス・ツールを公開している。
家電製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」では、家電を買い換える際に、購入予定製品(新)と使用中の製品(旧)の情報を入力することで、新旧製品の年間の消費電力量・電気代・CO2排出量の比較が簡単にできる。
うちエコ診断のワンポイントアドバイス・ツールでは、電気・ガス料金等の情報から各家庭のCO2排出量を簡単にチェックできる。また、改善のためのアクションや、それを実施した場合の光熱費の節約やCO2削減の効果も同時に確認できる。
こうした取り組みを踏まえ、環境省は「人それぞれ寒さの感じ方は違って、10月や4月でも肌寒いと感じる日はある。毎日の天気予報にも注意しながら、気候に合わせた服装で暖かく快適に過ごしていくべきだ」と述べている。