燃料電池自動車等の規制の在り方について検討していた経済産業省の検討会は10月28日、最終報告書をとりまとめた。この中で、道路運送車両法への一元化に当たっては、道路運送車両法等により安全を確保できるものについては、高圧ガス保安法の適用を除外するという考え方のもと、その対象範囲として、継続検査(車検)にて定期的に容器品質を確認できる車種(普通自動車・小型自動車や三輪以上の軽自動車)とし、その中で圧縮水素、圧縮天然ガス、液化天然ガスを燃料とする車両に設置される燃料装置用容器や原動機等について、高圧ガス保安法の適用除外とする方針を示している。
現在、燃料電池自動車をはじめとした高圧ガスを燃料とする車両には、道路運送車両法及び高圧ガス保安法の二法令にまたがった規制が行われているが、これに対し、かねてより規制合理化の要望がなされ、検討が進められてきた。
また、政府は2050年のカーボン・ニュートラルの実現を表明しており、この中で燃料電池自動車をはじめとした水素の活用は、重要な位置を占めている。
このような状況を踏まえ、経済産業省は、有識者等から構成される検討会を今年から開催し、燃料電池自動車等について高圧ガス保安法の適用除外とし、道路運送車両法に規制を一本化する方向で検討を進めることとした。
規制の一元化の方向性として、道路運送車両法等により安全を確保できるものについて、高圧ガス保安法の適用を除外することとし、対象範囲は、継続検査(車検)で定期的に容器品質を確認できる車種とし、その中で圧縮水素、圧縮天然ガス、液化天然ガスを燃料とする車両に設置される燃老装置等容器や原動機とした。
装置については、高圧ガスを主に動力伝達装置の駆動用燃料として使用する装置(原動機及び燃料装置)に限ることとし、高圧ガスの運搬や、駆動にかからない使用のみを目的とした装置は含まれない。
一元化後の制度イメージとして、現行は、高圧ガス容器の型式承認は、高圧ガス保安法で実施し、車両の型式指定は、道路運送車両法で実施しているが、一元化後は、道路運送車両法の型式指定の中で車載の高圧ガス容器の型式指定を実施する。
新規検査については、現行は、高圧ガス容器の容器検査は、高圧ガス保護保安法で実施し、車両の新規検査は、道路運送車両法で実施しているが、一元化後は、現行の容器検査相当の検査を道路運送車両法の新規検査で実施する。また、高圧ガス保安法の容器検査相当の検査を実施するための技術基準を道路運送車両法の保安基準体系化で措置する。
継続検査については、現行は、高圧ガス容器の容器再検査は高圧ガス保安法で実施し、車両の継続検査は道路運送車両法で実施している。一元化後は、現行の容器再検査相当の検査を道路運送車両法の継続検査で実施する。また高圧ガス保存法の容器再検査相当の検査を実施するための技術基準を道路運送車両法の保安基準体系化で措置する。容器の充填可能期限を道路運送車両法の保安基準体系化に措置することで、充填可能期限経過後の車両の運行は不可となる。