2021年11月2日 コロナ禍で高まる若者の政治意識 外食やサークル活動「多数が我慢」(日本財団調査)

新型コロナウイルスの感染が拡大する危機的状態である「コロナ禍」。わが国では2010年1月から2年近くこの状態が続いているが、日本財団がハイティーンに対して行った調査によると、3割以上の若者が「政治が自分に影響する」と感じることが増えたと回答した。また、多くの人が外食を我慢しているなか、若者がコロナ以前と同じように外食を行っているとの批判が一部であったが、多くの若者が大勢での外食やサークル活動などを我慢している現状も浮き彫りとなった。

この調査は、コロナ禍が若者の政治・選挙への関心、経済活動、文化芸術活動などに与えた変化を調べるため、17歳から19歳の男女1000人を対象に、今年9月中旬にインターネットで行った。

新型コロナウイルス感染者が国内で報告された2020年1月と、それ以前を比べると、33.9%の若者が「政治や選挙が自分に影響すると感じることが増えた」と回答。政治への関心の高まりが見受けられた。「思わない」としたのは、「そう思わない」「やや思わない」合わせて24.0%。

また、「政治や選挙、社会問題について自分の考えを持つ、整理する」は27.9%、「身近な人と政治や選挙、社会問題について話す」は25.9%が増えたと回答。政治や社会問題への関心が高まっていることが浮き彫りとなった。

 

オンラインスポーツ観戦は約4割

コロナ禍前後の日常生活の変化に関しても聞いた。コロナ禍以前に比べて、「地域活動や地域行事に参加する」ことは、約6割が減ったと答えた。このうち「大幅に減った」が全体の3割を占めた。このほか、文化芸術公演への参加や文化芸術施設の訪問、スポーツ観戦も、約半数が減少したと回答している。

文化芸術やスポーツ観戦へのリモート・オンライン参加回数としては、1回以上体験した人の割合をみると、「文化芸術施設をリモート・オンラインで訪問・参加する」は15.0%、「スポーツの試合をリモート・オンラインで感染する」は38.2%。

コロナ禍前後での身近な人との行動の変化としては、2人以上で行う行動について、「3人以上で飲食を伴う屋内活動をする」ことは約7割が減ったと答え、減少割合としては最も多かった。また、67.7%が「不特定多数が集まる屋外の施設・イベントに行くことが減った」、64.4%が「3人以上で飲食を伴う屋外活動をすることが減った」との回答を行った。

 

休業支援金のバイト適用、過半数が「知らなかった」

アンケートでは、就業状況に関しても調査した。就業状況に関して、「現在仕事をしている」は32.5%にのぼった。「現在は仕事をしていないが、2020年1月以降に、一度でも仕事をした経験がある」は7.6%、「一度でも仕事を探したことがある、または現在も探している」のは、転職希望者も含めて8.7%。

休業支援金や給付金をパート・アルバイトでも利用できることに関しては、過半数が「知らなかった」と答える一方、「知っており、利用したことがある」は9.2%にとどまった。

部活動・サークル活動では、現在所属しているのは34.5%であるのに対して、「現在は所属していないが、2020年1月以降に、一度でも部活・サークルに所属していた経験がある」は10.4%、「2020年1月以降に、一度でも部活・サークルに所属することを検討したことがある。または現在も検討している」は5.1%。

コロナ禍以降の部活動・サークルについて、「新型コロナの影響で、3ヵ月以上休みになった」が約半数の割合で最多。「新型コロナの影響で、もっと練習等がしたいのに、頻度をあげられない状態が3ヵ月以上続いた」が約3割で続いた。

コロナ禍以降の部活動やサークル活動について、27.1%が「感染対策のため、当面の間は活動停止・中止すべき」、23.2%が「部活・サークルを選ぶ場合には、感染リスク等を考慮して選ぶ」と回答。「以前に比べ、学業と部活・サークルの両立が難しくなったと感じる」との意見には22.0%、「感染対策が十分取られていないと感じる」との声には21.7%が賛意を示した。


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