農研機構らが参加するムーンショット型農林水産研究開発事業「作物サイバー強靭化コンソーシアム」(プロジェクトマネージャー:大澤 良筑波大学教授)は、オンラインシンポジウム「2050年、食料リスクのない豊かな社会を目指して」を10月22日に開催する。
この事業は、野生植物などが持つ生物機能を活用し、環境適応力の高い作物を迅速かつ自在に開発できる新技術「作物サイバー強靭化」を開発することで、食料リスクを解決し、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に貢献することを目標としている。シンポジウムでは、研究の背景となる2050年に予期される食料・環境問題を広く共有し、食料リスクのない豊かな社会を目指すための取組を紹介するとしている。
プログラムは、東京農工大学学長でプログラムディレクターを務める千葉 一裕氏の挨拶にはじまり、農林水産技術会議事務局事務局長の青山 豊久氏、農研機構理事長の久間 和生氏、筑波大学副学長の和田 洋氏が挨拶する予定。
次に、特別講演として、京都大学、国立環境研究所の藤森 真一郎氏が「気候変動と食糧安全保障の関係について」、東京大学、FAO世界農業遺産科学アドバイザリー会合委員の八木 信行氏が「食料供給の拡大と地球環境保全の両立に向けて」、パイオニアエコサイエンス(株)、サナテックシード(株)の竹下 達夫氏が「近未来の農業経営と種苗業並びにアグリビジネス」について説明する。
さらに、プロジェクトの内容を取り上げる講演が行われる。プロジェクトマネージャーの大澤氏が「サイバーフィジカルシステムを利用した作物強靭化による食料リスクゼロの実現」について説明するほか、東京大学の藤原 徹氏が「新しい植物のストレス耐性」、京都大学の安井 康夫氏が「未利用・低利用植物の再栽培化に向けて」、農研機構の宇賀 優作氏が「作物強靭化を支えるデジタル作物デザイン技術の開発をめざして」をテーマに説明を行う予定だ。
また、学会からの応援メッセージとして、日本育種学会の加藤 鎌司副会長、日本作物学会の山岸 順子会長、園芸学会の田尾 龍太郎副会長、日本土壌肥料学会の妹尾 啓史会長、日本植物生理学会の前島 正義会長、日本植物バイオテクノロジー学会の小泉 望会長からコメントが寄せられている。