日本で開催されるラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックといった国際的なイベントを前に、厚生労働省は今月、受動喫煙の対策を強化する案のたたき台を示した。
他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙は、肺がんや心疾患の可能性を高めるなど健康へのリスクが問題視されている。日本は健康増進法などで、公共施設の管理者や事業者などに必要な対策をとるよう要請しているが、あくまでも努力義務で罰則もない。
厚労省は今回のたたき台で、建物内の禁煙を明確に義務とすることを提案。勧告や命令を無視して喫煙し続ける人には、罰金などの罰則を適用してはどうかとした。また、禁煙であることを分かりやすく掲示していなかったり、禁煙の場所に灰皿を置いたりした建物の管理者にも、同様の罰則を課す案を示している。
規制には濃淡をつける考えだ。医療機関や学校は敷地内すべてを禁煙とし、社会福祉施設や介護サービス事業所、スタジアム、官公庁などは建物内を禁煙にしたいと説明。居酒屋やカフェなどの飲食店、ホテル(客室は除く)、民間企業のオフィス、空港、駅なども建物内は禁煙とし、喫煙室でのみ吸える環境にする構想を掲げている。