東京医科歯科大学のプロジェクトチームは、同大病院に入院または通院歴のある新型コロナウイルス感染症患者から、感染伝播性の増加が懸念される変異を有するデルタ株の市中感染事例が急増していることを確認した。さらに、8月中旬のコロナ患者から、アルファ株主要変異の類似変異を有する新たなデルタ株の市中感染事例も突き止めた。
この感染事例を拡大したのは、医歯大大学院医歯学総合研究科ウイルス制御学分野の武内寛明准教授・医学部附属病院病院長補佐、難治疾患研究所ゲノム解析室の谷本幸介助教、リサーチコアセンターの田中ゆきえ助教、ウイルス制御学分野の北村春樹大学院生および関口佳大学院生ら同大入院患者由来SARS‐CoV‐2全ゲノム解析プロジェクトチーム。統合臨床感染症学分野の具芳明教授、木村彰方理事・副学長・特任教授、貫井陽子医学部附属病院感染制御部・部長と共同解析した。
今年7月上旬から7月末までの期間に、同大病院への入院または通院歴のあるCOVID-19患者から、感染伝播性の増加が懸念される変異(L452R)を有するデルタ株(B.1.617.2系統)の市中感染事例が急増していることを確認した。さらには、8月中旬の新型コロナ患者から、アルファ株主要変異(N501Y)の類似変異であるN501S変異を有する新たなデルタ株の市中感染事例も確認した。