ロボットサービスイニシアチブ(RSi)と芝浦工業大学工学部機械機能工学科の松日楽教授は、去る7月30日にユニバーサル未来社会推進協議会ロボットショーケースで、「コミュニティサービスロボット」のコンセプトのもと共通インターフェースで4施設(深川江戸資料館、東京都立産業技術研究センタ―、会津大学先端ICTラボ、産業技術大学院大学)の各ロボットを連動させ、サーバー(青山学院大学附置情報メディアセンター協力)を
強化し、ロボットを介したオンライン施設見学を実施した。
RSiは、パーソナルロボットによる通信ネットワークを活用した魅力あるサービス(ロボットサービス)を簡単かつ便利に利用できる社会を目指し、相互運用性のあるロボットサービスについて関連団体と協力・連携しながら仕様の作成・公開、実証実験、普及促進を行うことを目的とした任意団体。日本ロボット工業会内に事務局がある。
種類や機能の違う各ロボットを共通通信プロトコル(RSNP)でネットワークに繋ぐことで、ロボット・施設間の情報を共有できる。特に今回は、共通の遠隔操作インターフェースにより、操作の共通化も図っている。コロナ禍での人との接触低減でも多様なロボットによるサービスが可能となった。
□共通通信プロトコル RSNP を利用したロボットの IoT 化
RSiではこれまでも芝浦工大、産業技術大学院大学などと協力して、共通通信プロトコル「RSNP」を使い、ロボットのIoT化の社会実装を見据えた実証実験を重ねてきた。
現在、多様なサービスロボットが開発されているが、さらに有用性を高めるにはIoT化によるロボット間の連携が必須。
例えば、固定の受付ロボットが来客データを共有、同時に自律走行型ロボットが案内役として迎えにくるなど、連携することで1機種では実現できないサービスを実施することが可能で、コロナ禍での非接触サービスなど社会の多様な課題に対しても対応できる。
しかし、異なるメーカーで開発されるロボットには共通の通信プロトコルがなく、そのデータ共有を困難にしている。このため、RSiでは「ロボットサービスの標準化」を目指して、サービスロボット用の通信規格RSNPを開発した。
7月30日のデモンストレーションでは、4機関協力のもと、前回課題となったサーバーへの負担、動画送信、同時アクセスなどを強化する。