中央大学ELSI(Ethical,Legal,and Social Implications)センターは、センターの開設を記念し、7月17日にシンポジウム「インクルーシブイノベーションにおけるAIと人類の共生」をオンライン開催する。
中央大ELSIセンターは、人工知能(AI)やセキュリティのような世の中に影響を及ぼす技術について、倫理や法、社会的な観点で研究を進め、社会実装を目指し、文理融合人材の育成を目指す新組織として、今年4月に開設した。
情報化とグローバル化により、社会は加速度的に変革されている。特に情報はネットワークを通じて世界中を瞬時に駆け巡るとともに、共有化が進んでいる。
膨大な情報は計り知れない価値を生み出すとともに、新たな懸念や問題を生み出している。例えば、走行データを巨大データセンターに蓄積し、それをクラウド・コンピュータのAIに学習させることでさらなる性能向上を図っている自動走行車が、誰も予見できないような行動をとって事故を起こした場合には、誰が責任を負うべきか?。AI技術の急速な変化に人類の知恵さえも追いつかず、企図した理想社会とは逆のディストピアが現実のものになるという危惧さえも指摘されている。
中央大ELSIセンターでは、解決すべき課題群について熟考し、科学技術イノベーションと共進化する、すべての人びとがインクルーシブな社会発展を創造するために、新たな倫理や規範、来るべき社会のあり様について追求する。さらには、産官学連携の研究基盤により、社会のさまざまな課題群を解決することに貢献することとしている。