千葉県八街市で、下校中の小学生の列にトラックが突っ込み、児童が死傷した事件を踏まえ、スクールバス導入に関する要望が与党から行われていることに対して、萩生田光一文部科学大臣は、安全確保への一定の効果を認めた上で、全国一律ではなく、各地域での交通事情などを踏まえた検討を行う姿勢を示した。7月2日の閣議後会見で、記者からの質問に答えた。
萩生田大臣は「児童生徒の登下校時の安全を確保をすることは、子供たちが安心して学校生活を送るうえで不可欠」であることをあらためて強調。文科省として、登下校時の安全対策として子供たちに対する実践的な安全教育の推進や地域ぐるみでの見守り活動の充実、集団登下校等の取組を推進していることを説明した。
その上で、「今回、スクールバス導入について提言があったことは承知をしているが、スクールバスは安全対策としての一定の効果が考えられる一方、それぞれの地域で交通事情等の状況、あるいは運転手や駐車場スペースの確保に関する論点がある」と指摘。各学校や各地域での具体的なニーズを踏まえた検討が必要との考えを表明した。
一方で、合併等により通学時間、距離が伸びてしまった場合には、へき地等対策として、すでに実施している自治体があることをあげ、「それは有効な手段だと思うが、全校一斉という今回の要望は、やや似て非なるもの」との見方を示した。