理化学研究所と富士通㈱は、スーパーコンピュータ『富岳(ふがく)』がスパコンランキングで、昨年6月、11日に引き続いで3期連続で世界1位を獲得したと発表した。富岳が世界ナンバーワンとなったのは、単純計算性能を測定する「TOP500」、アプリケーション実行性能をみる「HPCG」、AI性能である「HPL‐AI」、ビッグデータ処理性能指標である「Graph500」。さまざまな用途で高性能であることが確認された。
スパコン「富岳」は、我が国の科学技術の発展、産業競争力の強化につなげるための最先端の研究基盤として、世界最高水準の汎用性のあるスパコンの実現を目的として、平成26年度から開発してきた。
昨年4月からは、整備中の『富岳』を活用して緊急的に新型コロナウイルス感染症対策に貢献する研究課題を実施。高い性能を活用したシミュレーションにより得られた成果が感染症対策の検討に活用されてきた。
当初は、令和3年度の共用開始を目標に整備が進められていたが、新型コロナウイルス感染症への対応を含め、わが国が直面する課題の解決や産業競争力の強化へ可能な限り早期に貢献するため、当初予定を前倒し、今年3月9日に共用を開始した。
共用開始後は、一般・産業利用課題をはじめとする課題で利用が開始するとともに、昨年度、試行的に実施してきた「富岳」成果創出加速プログラムの本格的な利用がスタート。早期の成果創出に向けて、さまざまな取組を進めている。