公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、東京2020オリンピック開幕まであと50日となった6月10日に有明アリーナで、表彰台・楽曲・衣装&メダルトレイといった東京2020大会の表彰式を彩る各アイテムを発表した。全体コンセプトは『幾多の困難を乗り越えてきたアスリートたち』。東京2020大会の表彰式は、その道のりを讃え、努力をねぎらい、達成を祝福する瞬間となる。また、地球上のすべての人たちが、国籍や民族、人種、性別、文化、宗教、障がいの有無などを越えて、それぞれの想いを分かち合う場所になることを目指している。表彰台に使用済みプラスチックを用いるなど、地蔵可能な社会に向けた新しいモデルを国内外に発信している。
表彰台
「みんなの表彰台プロジェクト」によって集められた使用済プラスチックを用いて製作された。完成した表彰台のプラスチックパーツには、全てリサイクルプラスチックを使用している。このことは、オリンピック・パラリンピック史上初の試みで、持続可能な社会に向けた新しいモデルを国内外に発信する。
デザインは東京2020エンブレムを制作した野老朝雄氏が担当。〝多様性と調和〟のメッセージが込められたエンブレムを体現するデザインとなっている。東京2020エンブレムコンセプトである「組市松紋」を立体化した側面デザインは、日本の伝統的デザインを幾何学的に発展させた現代日本を象徴するもので、伝統的な藍染めを想起させる色と合わせて、世界へ日本らしさを発信するデザインとなっている。
東京2020表彰式楽曲
〝アスリートに最大の敬意を表する、アスリートのための賛歌である〟と考え、達成、勝利、困難、歓喜、感動、逆境、希望などさまざまな思いを受け止め、全てを包み込むことの出来る寛大な楽曲を目指した。
作曲は日本を代表する作曲家の一人である佐藤直紀氏。録音には国内のトップクラスのスタジオミュージシャンと有数の交響楽団から、垣根を越えて144人が集結した。弦楽器とコーラスは多重録音も行い、最終的に総勢256人分の音に編曲されている。日本の音楽録音としては稀に見る規模での豪華編成となっている。
衣装
現代の祭典にふさわしい〝新しい礼服〟をコンセプトに、「かさね」「おり」「結び」「染め」といった和装の伝統技術を取り入れつつも、暑さ対策など、洋装の機能性を兼ね揃えたデザインを目指した。
表彰式でメダルやギフトを運ぶトレイベアラーやエスコートを務めるボランティアの多様性を表現したデザインは、パンツスタイルかワンピーススタイルのいずれかをボランティア自身に選んでもらう。
資源の有効活用のため、リサイクル繊維を採用。メダルトレイは、伝統的な扇子をモチーフに、リサイクル可能な再生ABSを使用している。デザインは新進気鋭のファッションディレクター・山口壮大氏が担当した。