東京都葛飾区は、新型コロナウイルスに感染した高齢者のケアにあたる介護職への独自の支援策を始める。1日あたり5000円を最大で2週間支給する。
あわせて、感染者に対応した介護職が濃厚接触者となって自宅へ帰れなくなった場合に、宿泊費として1日5000円を最大で13日分補助する。適切なサービス提供体制の維持、確保につなげたい考えだ。
区内の施設系サービス、訪問系サービス、居宅介護支援、障害者施設などに従事する介護職を対象とする。
このうち施設系サービスなどには、新型コロナの治療を終えて退院した高齢者が元の施設へ再入所した場合について、いわゆる「かかりまし経費」の補助を拡充することも決めた。高齢者1人につき3万円を追加的に支払うという。
申請はいずれも事業所単位。今年4月までさかのぼることが可能という。葛飾区は財源の2000万円を今年度の補正予算案に盛り込んだ。補正予算案は今月中に成立する見通し。
葛飾区では今年1月から3月にかけて介護施設などでクラスターが続発。医療機関の病床が逼迫し、感染した高齢者に施設内で療養してもらわざるを得ない事態に至った。
区の担当者は、「介護職も医療職と同様にリスクを負っているがサポートは少ない」と説明。「これまでは防護具や消毒液など物品で支援してきたが、今回の新制度を通じて介護職を更に後押ししていきたい」と話した。