2021年6月17日 【科技政策研】コロナで「研究開発中止」1割弱 民間企業の研究開発調査で判明

 

文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が行った民間企業の研究活動に関する調査によると、新型コロナウイルス感染症の流行への対応として、1割弱の企業が「実施中の社内の研究開発を縮小」した。一方で、同じく1割弱で新たな研究開発プロジェクトを立ち上げるなど、新型感染症が新たな研究開発活動につながる影響となったこともわかった。

この調査はNISTEPが毎年実施しているもの。2020年度調査では、資本金1億円以上でかつ社内で研究開発を行っている3797社(回答企業1996社)を対象として、研究開発投資の動向、研究開発者の雇用状況、知的財産活動の取り組み状況、各企業の主要業種における研究開発活動の状況、他組織との連携、科学技術に関する政府の施策・制度の利用状況、新型コロナウイルス感染症の流行の研究開発活動への影響について調査した。

今回の調査では、新型コロナウイルス感染症の流行への対応として、2019年度中に「実施中の社内の研究開発活動の縮小」を実施または決定した企業の割合が9.1%である一方で、「新たな研究開発プロジェクトの立ち上げ」を実施または決定した企業の割合も9.9%にのぼり、新たな研究開発活動につながるような影響もあったことが明らかとなった。

2019会計年度の主要業種の社内研究開発費は、1社当たりの平均値は前年度よりも減少したが、中央値は増加。研究開発者の採用では、新卒採用、中途採用を行った企業の割合はともに前年度より減少したが、採用者数の1社当たりの平均値では、新卒採用者は増加、中途採用者は横ばいであった。

研究開発の短期・中期・長期の内訳では、短期的な研究開発の割合が大きく、中期的な研究開発は2割強、長期的な研究開発は1割強であった。


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