萩生田光一文部科学大臣は、大学間交流協定等に基づく1年間の海外留学プログラムを対象とした海外留学プログラムについて、日本学生支援機構の奨学金による支援を再開したことを明らかにした。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、停止していたが、欧米を中心にワクチン接種が行き渡りつつあることから、認めたもの。
文科省では、昨年11月に海外大学での学位取得を目指す留学に関しては、渡航の遅れによる学習の影響などを踏まえて、学生支援機構による奨学金の支援を再開していた。一方で、学位取得を目的としない留学に関しては、依然多くの学生が留学できていない状態が続いている。
こうしたなか、国内外で、感染対策の蓄積やワクチン接種が進捗しつつあることに加え、世界各国が留学生の受け入れや派遣を進める中で、多くの日本人学生が留学できない状況になっていることを踏まえ、大学間交流協定等に基づく1年間(実際の派遣期間は9ヵ月以上)の海外留学プログラムについて、学生支援機構の奨学金による支援を再開することとした。
8月以降の渡航から奨学金の支給が可能となるよう、6月15日付で文科省から各大学等に、さらに学生支援機構から必要な事務手続きに関する通知を発出した。
萩生田大臣は会見で、「学生の渡航にあたっては、各大学等には渡航先の感染状況や、感染防止策の状況、感染した場合の現地の医療体制の確認や、感染時に十分対応できる保険の加入など、学生の安全確保に万全を尽くしていただきたい」と厳重な対策を講じた上で、学生を海外へ送り出すよう求めた。
「1年未満留学」の再開、段階的に
さらに、1年未満の留学についても、国内外での感染状況やワクチン接種の進捗、帰国時の入国者数制限状況などを注視しながら、段階的な支援再開を検討する方針を示した。