2021年6月10日 【東大】教材を開発・公開 「数理・データS・AI」モデルカリキュラムに完全準拠

 

東京大学数理・情報教育研究センター(MIセンター)は、数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラムに準拠した教材を開発し、去る6月8日に国内すべての大学・高専等に向けた無償公開を開始した(http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/6university_consortium.html)。

この取組は、政府の「AI戦略2019」に対応したもので、モデルカリキュラムの内容の全てに対応した教材の公表は、全国で初の試み。今後、東大が幹事校を務める数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムの活動の一環として、この教材を活用したワークショップなどを行い、具体的な活用方法も含めて広く全国に普及・展開する。

これらの取組によって、我が国の数理・データサイエンス・AI教育の底上げを図るとともに、教えることができる教員の不足を解消しデジタル改革の推進の一助となることが期待される。

IoT、AI等の情報科学技術の急速な発展、国際競争の熾烈化、デジタル改革の推進に伴い、数理・データサイエンス・AI人材の育成に対する社会的要請が高まっている。こうしたなか、東大は、2017年に複数の研究科が連携する全学的組織として「MIセンター」を設置した。同センターは、東大全体の数理・情報教育の支援・促進に加えて、全国120(2021年4月時点)の国公私立大学・高専等からなるコンソーシアムの事務局として、会員校と連携・協力。全ての大学が参照可能なモデルカリキュラムの策定、教材開発など、全国の数理・データサイエンスAI教育の強化・質の向上に向けた取組を推進している。

政府のAI戦略に対応

こうしたなか、同センターは、コンソーシアムが今年3月に策定した「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム~AI×データ活用の実践~」に完全準拠した教材(スライド教材、実習用補助教材等)を開発し、ウェブサイトで公開した。

MIセンターでは、昨年4月にリテラシーレベルのモデルカリキュラムに準拠した教材を公開しており、今回開発された応用基礎レベルの教材と併せて、モデルカリキュラムの内容のすべてに対応した教材を完成させ、日本国内で初めて公開したことになる。

この取組は、コンソーシアムの主要な活動の一つであると同時に、政府の「AI戦略2019」に対応するもの。同大では「人材育成規模に対する教員の不足などが課題とされるなか、目標達成に資する重要な取組として位置付けることができる」としている。


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