順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院脳神経内科は、5月17日、「パーキンソン病患者さんのためのダンス教室」を開催した。パーキンソン病は安静よりも体を動かすことが重要であることから、同科では患者が楽しく体を動かす場を提供する目的で、「Dance for PDⓇ」を取り入れたスターダンサーズ・バレエ団(東京都港区)の協力のもと、2019年11月からダンス教室を実施している。
新型コロナウイルス感染症の影響で昨年より開催を見合わせていたが、今回、定員数を大幅に削減し、約1年ぶりに行われた。当日は患者6名が参加し、ピアノの生演奏に合わせて講師と共に体を動かしていた。
教室は、パーキンソン病患者のためのダンスプログラム「Dance for PDⓇ」を取り入れた内容で、手足・首が震える、手足がこわばる等の運動症状のある患者でも取り組みやすい内容。
また、「Dance for PDⓇ」を取り入れたダンス教室は、国内では開催事例がまだ少なく、特に、医療機関で実施しているのは順天堂越谷病院のみとなる。さらに、自身もバレエの経験を持つ脳神経内科の頼高朝子教授が指導者向けのワークショップに参加し、Dance for PDⓇの認定資格を取得した上で主催している。
Dance for PDⓇは、米国のマーク・モリス・ダンス・グループがオリー・ウェストハイマー(ブルックリンパーキンソン病患者の会)と協働で考案したダンスプログラム。ダンスを通じて、バランス、認知能力、運動能力、うつなどパーキンソン病の顕著な症状に対処するのと同時に、参加者がダンスの楽しみを体験できるようにデザインされている。