文化庁は、三内丸山遺跡など、北海道、青森、秋田、岩手にまたがる「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産一覧表への記載が「適当」と、世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスが勧告したと発表した。今後は7月16日から開催される第44回世界遺産委員会拡大会合で、同勧告を踏まえ、世界一覧表への記載の可否が決定される
約1万5000年前に遡る農耕以前の定住生活のあり方や先史時代の複雑な精神文化を示す17の構成遺跡からなる北海道・北東北の縄文遺跡群。イコモスでは、不適切な構造物の影響の軽減・撤去を求めたものの、「資産全体や個々の構成遺跡で完全性が担保されている」と評価した。
さらに、遺跡の〝真実性〟が担保されており、構成遺産の選択説明の論理性も有しているとの見解を表明。「先史時代での農耕を伴わない定住社会や複雑な精神文化を示している」と世界遺産一覧表への記載の妥当性を説明した。