国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)は、素材・化学産業に特化したベンチャーキャピタルである、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター㈱(UMI)との間で、NIMSの技術シーズを基盤としたベンチャーの起業・事業化を協力して推進するための覚書を締結した。
今後、UMIが持つ素材・化学分野のベンチャー支援のノウハウを活かし、事業化の可能性があるNIMSの技術シーズの発掘から、ベンチャー立ち上げ支援、さらに起業後の出資活動までを相互に連携・協力を行うことで、新材料・新技術の社会実装を強力に後押しするだけではなく、素材・化学分野での新産業創出を推進する。
わが国の素材・化学産業は、製造業全体での出荷額や付加価値額の比率が、他の産業を圧倒しており、これまで多くのイノベーションが日本企業から創出され、他の産業の発展を支えてきた。
ここ数年、大学や国立研究所等アカデミア発のベンチャーの設立数は増加傾向にあり、イノベーション創出に向けた活動が活発化しているが、その多くはIT系やバイオ系に集中している。
素材・化学系のスタートアップは、研究開発や産業化まで長い期間を要することもあって設立数が少なく、この分野でのイノベ創出が停滞していると指摘されている。
そこで、物質・材料分野で世界トップレベルの研究成果を生み出しているNIMSが保有する技術シーズと、素材・化学産業に特化したベンチャーキャピタルであるUMIのファイナンスや事業化に関する機能や知見を活用。事業化を目指した技術シーズの発掘から、起業のサポート、起業後の出資活動まで連携・協力して行い、アカデミア発の素材・化学分野での成果の社会実装を加速させる取組を開始する。