順天堂大学は㈱ジョリーグッド(東京都文京区)とともに、実際の「COVID‐19(新型コロナウイルス感染症)」の診療病棟を舞台にしたリアルな感染症診療をVR(仮想現実)で体験学習できる感染症診療VRを共同開発した。この取組は、文部科学省の令和2年度第3次補正予算事業「感染症医療人材養成事業」で順天堂大が採択された事業の一環として実施。医学生ら向けに実際の感染症診療病棟での実習ができるVR教材の開発は、全国初の試みとなる。
同事業では、順天堂大内の実際のCOVID‐19診療病棟をもとに完全再現された仮想空間で、COVID‐19をはじめとする感染症に携わる現場診療を疑似体験できる教育プログラムを開発。医学生や看護学生、理学療法学生らを対象に効果検証を行う予定。
感染症の診療病棟への立ち入りは特に困難
医学生向けの感染症対策教育は、一般的な概要等の座学教育は行われているが、実際の感染症の診療病棟に立ち入ることが極めて難しく、実践的な対策実習はできていない状況が続いている。順天堂大でも、現在学生の臨床実習を制限されており、次世代を担う医学生に必要な経験値が積めないという影響が出ている。また、感染症診療や感染制御は、多職種の連携が必要とされ、医学部の学生だけでなく、看護学生や理学療法学生等に対しても十分な実習が必要だと言われている。