2021年5月13日 【農研機構】農作物を食べる野生ニホンジカは早熟 効果的被害対策手法開発へ期待

野生ニホンジカの成熟は、農作物を食べることで早まる―。シカによる深刻な農業被害は大きな社会問題となっているなか、農研機構や中央大学等の研究グループは、これまで不明だった深刻な農業被害をもたらしてシカの採食が成長にもたらす影響を初めて明らかにした。地域に生息するシカ個体数の変動をより正確に予測し、効果的な被害対策手法を開発する上で、大いに重要な発見となった。

農作物は栄養価が高く、シカにとって格好の食物。今回、農研機構などでは、野生ニホンジカの骨に含まれる骨コラーゲンの成分を、シカの農作物依存度の指標として有用であることを示すとともに、農作物採食が4歳以下の若齢シカの成長を促進し、その結果、妊娠率が上昇。このような農作物採食によるシカの〝早熟化〟が、シカの増加を促進している可能性を示唆した。

この研究成果は、米国生態学会発行の科学雑誌で、4月23日に掲載された。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.