文部科学省は、今年3月18日付で実施した「デジタル教科書の今後のあり方などに関する検討会議中間まとめ」に関する意見募集の結果を公表した。寄せられた意見は310件。「デジタル教科書によって学習効果が上がる科学的根拠がない。紙の方が記憶に残りやすいとい指摘もある」との意見とともに、教員の負担が増加することへの懸念を示す声も寄せられた。
同省では、教員の負担増への心配に対して、「デジタル教科書はデジタル教材等と連携させて活用することにより、教師の教材作成や児童生徒の学習状況の把握などに係る業務の効率化に資する面もある」と指摘。その上で、指導デジタル教科書のメリットを最大限発揮するためには、デジタル教科書を含むICTを活用した指導力の向上を図ることが必要不可欠との見解を示している。
学習効果に関しては、デジタル教材との連携しやすく、動画や音声等を合わせて使用することにより、学びの幅を広げたり、内容を深めたりすることが容易であることを紹介した。「紙の教科書とデジタル教科書それぞれの特性を生かした教育を進められるようにすることは、児童生徒の学びの充実に向けた授業改善に資する」とメリットを強調。紙とデジタルを適切に組み合わせた指導が重要であることに留意することが必要と説明している。