萩生田光一文部科学大臣は、大学入試センターのあり方を議論してきた有識者会議が、共通テストの今後の安定的な実施に関して、財政的な面から危機感を表明したことに対して、共通テストの重要性を強調した上で、参加大学が支払う成績提供手数料の見直しなど改善が必要との考えを示した。4月13日の閣議後会見で、記者からの質問に答えた。
大学入試センターの収入は9割が自己収入であることから、18歳人口の減少に伴い経営が厳しくなる。
一方で、コロナ禍での大学入試を通して、大学入試のセーフティネットとして共通テストの果たす役割が高まっている。
大学入試センターの運営審議会は提言のなかで、来年度以降も共通テストを安定的に実施するためには、参加大学が支払う成績提供手数料や参加大学への配分する試験実施経費の見直し、入試センターが保有するデータや知見を活かした新たな取組を活かした収支や経営の改善の必要性を強調している。
テストの安定的実施へ文科省会議でも議論
萩生田大臣は、審議会の方針に同意するとともに、入試センターの事業、経営改善や共通テストの科目構成などの見直しについて、文科省の検討会議での議論を踏まえ、将来にわたって安定的に共通テストを実施する観点から、今後しっかりとした議論を行うことが重要とした。
また、文科省では、これまで試験問題作成や調査研究等共通テストの着実な実施のため、補助金を継続的に投入しており、大臣は「こうした予算については、今後も引き続き確保に努めたい」との意向を表明した。