医療事故被害者の代理人として活動する全国の弁護士らで構成された「医療事故情報センター」(名古屋市)は、来月1日に遺族からの相談に応じる「医療事故調査制度110番」を実施する。
同日で「医療事故調査制度」は、開始から1年が経過。しかし、医療事故調査・支援センターに報告された件数は、累計でも356件にとどまる。当初、想定していた件数に遠く及ばなかったこともあり、弁護士らはこうした現状について、「本来、報告すべき医療事故が報告されていないケースが多数あるのではないか」と強い懸念と表明。そのうえで、この制度が適切な事故調査を行っているかなどについても検証が必要だとした。
■ 様々な質問を受け付け
「110番」の受付時間は、午前の10時から午後3時まで。受付番号は052‐951‐1731となっている。電話では、家族が死亡したケースについて、経緯や事実関係を確認。必要な弁護士を紹介する。
さらに、不審な点があると考える遺族からは質問を受け受け。具体的には、
・事故にあたるのではないか
・事故の報告をしてもらえなかった
・事故の調査を実施してもらえなかった
・解剖してもらえなかった
・調査が適切に行われていないと思う
・報告書を受け取れなかった
‐といった内容が考えられている。
医療事故調査制度は、全国の病院や診療所、助産所などが対象。「予期しない」死亡や死産について、医療機関が「日本医療安全調査機構」(東京)に報告し、院内調査を行った後で、調査結果を遺族に説明することが義務付けられている。報告数は当初、1000~2000件がみこまれていた。