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文部科学省などは、石川県加賀市、滋賀県大津市、大分県杵築（きつき）市の歴史的風致維持向上計画を認定した。同計画は、歴史上重要な建造物や周辺市街地と人々の営みが一体となった歴史的風致の維持向上を図るもの。加賀市は歴史的都市構造保存整備事業等、大津市は歴史的風致形成建造物への指定と保存のための整備事業等、杵築市は重要伝統的建造物群保存地区整備事業等を行う。歴史まちづくり法第５条に基づき認定するもので、文科、農林水産、国土交通の３大臣が承認。３月２３日に小林国土交通大臣政務官から３大臣連名の認定証が、各市長に交付される。
全国各地には、白や神社仏閣と周辺の町家や武家屋敷などで構成する市街地と、祭礼行事、民俗芸能、昔ながらの生業といった人々の伝統的な営みや活動とが一体となって、地域の個性ともいえる歴史的な情緒や風情を醸し出すまちが多く存在する。
歴史まちづくり法では、これらを地域固有の資産として捉え、ハード・ソフト両面の取組により維持向上を図り、地域の活性化や歴史・伝統文化の保存・継承を支援している。これまで８３都市が認定を受けており、今回認定都市は８６都市となった。
今回認定を受けた３都市の計画は次のとおり。
◎加賀市：重要文化財「江沼神社長亭」を核とし、その周辺にひろがる城下町大聖寺のまちなみで、御願神事や敷地天神講、山口玄蕃供養祭、十万石まつりが行われるなど、固有の風情を感じられる歴史的風致が形成されている。計画では、大聖寺地区に所在する「江沼神社庭園（旧大聖寺藩邸庭園）」の整備や「錦城山公園」の修景に係る事業、町屋等の歴史的建造物の修理・修景、伝統的な祭礼・芸能の継承に関する事業等を位置づけ、歴史的風致維持及び向上を図っていくこととしている。
◎大津市：国宝「日吉大社西本宮本殿及び拝殿」や重要伝統的建造物群保存地区「大津市坂本伝統的建造物群保存地区」周辺で行われる山王祭の神輿神幸、名勝「居初氏庭園」や登録有形文化財「浮御堂」周辺のまちなみで琵琶湖を背景に行われる祭礼行事、重要文化財「大津別院本堂」や多くの町家が残るまちなみを背景に行われる大津祭の曳ひき山行事等、固有の風情が感じられる歴史的風致が形成されている。計画では、市内に数多く存在する歴史的建造物の保存修理に係る事業や、道路の拡幅・美装化、一般住宅の外観修景整備への補助事業等を位置づけ、歴史的風致の維持及び向上を図っていくこととしている。
◎杵築市：重要伝統的建造物群保存地区「杵築市北台南台伝統的建造物群保存地区」や史跡「杵築城跡」及びその周辺のまちなみにおいて、天神祭や祇園祭、御田植祭が行われる等、固有の風情を感じられる歴史的風致が形成されている。本計画では、杵築城やその城下町の歴史的建造物の保存修理事業や修景整備事業、杵築市の歴史資料を保管・展示する収蔵場所の整備に関する事業等を位置づけ、歴史的風致の維持及び向上を図っていくこととしている。
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