岐阜大学発ベンチャー「ゼノバイオティック」は、化合物のデータ約1万4000件の機械学習により、毒性予測ソフトウェアの予測精度を95%に向上させた。同社では今後も性能向上に向けて取り組む方針で、ソフトウェアの実用化を予定。2026年度に売上高約12億円を目指す。
同大地域科学部の澤田敏彦特別協力研究員、橋本智裕准教授、和佐田裕昭教授の研究グループが、新規化合物の毒性試験での陽性/陰性の確率が予測できるソフトウェア「xenoBiotic(ゼノバイオティック)」を開発。ソフトウェアの実用化のために、昨年末にベンチャー企業「ゼノバイオティック」を設立した。
他社より40%上回る正答率
澤田特別協力研究員らは昨年、化学メーカー6社と公的研究機関2機関による同ソフトウェアのテストを通して、約6000件の化合物データを新たに入手。機械学習したデータ件数を累計約1万4000件とし、予測精度を従来の正答率91%から95%にまで高めた。この結果は、最高でも85%で、55%というものもみられる他の毒性試験予測ソフトウェアの正答率を大きく上回る。
同社では今後、実用化に向けて毒性試験結果が陽性の化合物を正確に陽性と予測できる性能を向上させる方針で、同ソフトウェアを実用化することなどにより、2026年度の売上約12億円を目指している。
今回のソフトウェア開発は、▽文部科学省「次世代アントレプレナー育成事業Tokai‐EDGEプログラム」、▽東海広域5大学ベンチャー起業支援:スタートアップ準備資金などの支援・助成を得て行われた。