農林水産省は、「令和2年度 食料・農林水産業・農山漁村に関する意識・意向調査」の中で実施した「緑茶の飲用に関する意識・意向調査結果」をとりまとめて公表した。それによると、回答者の約6割が普段ペットボトルや紙パックなどの緑茶飲料を飲むと回答しており、その理由として「すぐに飲めるから」、「どこでも買えるから」などをあげている。
近年の消費者のライフスタイルの変化や嗜好性の多様化、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた新たな生活様式の浸透等により、緑茶の消費動向に変化が生じている。今回の調査は、こうした状況を受け、消費者の緑茶の飲用に関する意識・意向を把握し、今後の茶業関連施策の検討のための基礎資料を整備することを目的に行われた。
具体的には、昨年10月中旬から11月上旬までの期間で、民間事業者が保有するモニターで全国の18歳以上の者1000人(男性481人、女性519人)を対象に、緑茶の飲用理由、茶葉の購入先と理由、緑茶飲料の購入理由等が調べられた。
調査結果のポイント
「普段どのような緑茶を飲むか」についての問いに対しては、「緑茶飲料(ペットボトルや紙パックなど)」と回答した割合が61.9%と最も高かった。次いで「茶葉(お茶っ葉(ティーバッグを除く))からいれた緑茶」が54.8%、「ティーバッグでいれた緑茶」が36.3%で続いている。
次に、普段緑茶を飲むと回答した人に対し、その理由を尋ねたところ、「味や香りが好きだから」と回答した割合が57.3%と最も高かった。次いで「習慣になっているから」が49.9%、「健康に良いと思うから」が42.8%で続いている。
飲用頻度については、最も回答が多かったのは、普段、茶葉やティーバッグからいれた緑茶を飲むと回答した人では「1日に複数回」で、その割合は37.2%だった。普段、緑茶飲料を飲むと回答した人では「1週間に複数回」で、その割合は29.1%だった。
また、「1日に複数回」、「ほぼ毎日」と回答した割合は、普段、茶葉やティーバッグからいれた緑茶を飲むと回答した人では65.4%だった。普段、緑茶飲料を飲むと回答した人では26.0%となっている。
さらに、普段、茶葉からいれた緑茶を飲むと回答した人に、その理由を聞いた結果、「味や香りが良いから」と回答した割合が61.6%で最多となった。次いで「習慣になっているから」が58.7%、「お得感があるから」が20.0%で続いている。
普段、ティーバッグでいれた緑茶を飲むと回答した人に、その理由を尋ねたところ、「準備や片付けが楽だから」と回答した割合が47.7%で最も高くなった。次いで「急須などの茶器がいらないから」が38.5%、「習慣になっているから」が34.6%で続いている。
普段、緑茶飲料を飲むと回答した人に、その理由を聞いたところ、「すぐに飲めるから」と回答した割合が49.1%と最も高かった。次いで「どこでも買えるから」が46.4%、「味や香りが良いから」が35.5%で続く。
急須でお茶をいれることのイメージについては、「おいしいお茶がいれられる」と回答した割合が59.2%と最も高かった。次いで「茶殻や洗いなどの片付けが面倒」が36.8%、「風情がある・おしゃれ」が33.1%で続いている。