東京大学は、新年度の教育・研究活動などの方針を公表した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に一定の歯止めがかかったものの、依然終息には至っていない状況であるが、4月からの新学期授業は通常の学事歴どおり行う方針を示した。授業形式は対面とオンラインを効果的に組み合わせたものとする。留学などの国際交流プログラムは段階的に再開する方針。
同大ホームページで、五神総長と藤井理事・副学長名で公開したもの。「大学は多様な人々が集い、ともに考え、議論をたたかわすなかで学び、知を創り出す場」と、キャンパスを訪れ学ぶ意義をあらためて強調。感染拡大防止の観点から、オンラインでの諸活動は継続しつつ、対面が重要と考えられる活動を段階的に拡大する意向を表明した。環境整備を進め、検査体制の充実にも努める。
「ウイズコロナの生活はまだしばらく続くが、これまで当たり前のことだと思って踏襲していたさまざまなやり方を自覚的に見直し、大学がより進化した姿になるために与えられた機会だと思っている。DXの進展を図るなど、新たなライフスタイルとしての『大学のニューノーマル』をみなさんとともに創り出していきたい」とした。東大の新年度の方針は以下のとおり。
①教育:4月からの新学期授業は通常の学事暦通り行う。対面とオンラインを効果的に組み合わせた教育を行うとなうとともに、留学などの国際交流プログラムも段階的に再開する
②研究:国際的な研究やフィールドワークも含め、段階的に活動を拡大する
③課外活動:感染防止対策を確認したうえで、段階的に再開する
④式典:卒業式・学位記授与式は簡素化して行う。入学式は感染状況を注視しつつ、参加者を新入生に限定して、日本武道館で挙行する
⑤留学生支援:日本到着後、安心して勉学をスタートできる環境が整えられるよう、来日時に求められる防疫措置について支援を行う
⑥感染防止対策:感染検査体制を充実させる。3密防止対策の徹底など、公衆衛生的な措置を継続する。大学構内への立入制限は原則維持するが、市中の感染状況を踏まえて見直しを行う
⑦ポストコロナ社会に向けた施設の改修等:換気設備改修・オンライン授業に対応したインフラ整備の充実に取り組む