文部科学省では、在外教育施設の今後のあり方を検討する有識者会議を発足し、3月12日に第1回会合を開催することを決めた。海外の日本人学校等の環境整備は、グローバル人材を育成する上で重要な要素となることから、在外教育施設の果たすべき役割を明確にしつつ、あるべき支援方策を検討する。5月頃に取りまとめを行う予定。
同会議は、丹羽副大臣が座長を務め、総合教育政策局長をはじめ、同局審議官、課長らで構成。さらに、外務省領事局政策課長がオブザーバー参加する。
在外教育施設での教育は、医療、安全と並び海外に在留する邦人にとっての最大関心事の一つであり、文科省でも外務省と連携しつつ、60年以上にわたり、振興に努めてきた。この間、駐在員数の増加、在外教育施設の児童生徒の量的拡大がみられ、サポートに関する量的・質的な改善が求められているのが現状だ。
しかしながら現在、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響により、日本人学校をはじめとする在外教育施設でも児童生徒数の急減や、児童生徒数の減少に伴う授業料収入のダウン、相手国の入国禁止措置による新規派遣教師の着任の遅れ―などの甚大な影響が生じている。
ウィズ/アフター・コロナの時代で、こうした現状に対応しつつ、日本国民や企業がグローバルな活動を継続・発展していくための環境を整え、また環境を活用して将来のわが国を担うグローバル人材を育成することは我が国にとって喫緊の課題となっている。このことを踏まえ、①国内同等の教育環境の整備及び②在外教育施設ならではの特色ある学びの支援等を通じて、在外教育施設のさらなる活性化を図り、わが国の発展につなげていく必要がある。
会議では、こうした社会的要請を受けて、外国に在留する子供の教育を受ける権利を保障するという役割を法的にどのように整理し得るかとるかという点も含め、在外教育施設が果たすべき役割を明確化しつつ、支援方策について検討を行うこととしている。