いまだ終息に至らない新型コロナウイルス感染症。実家を出て、アパートなどで生活している大学生は、感染拡大防止対策のためにアルバイト先が休業していることなどにより、経済的に困窮しつつある。こうした現状を踏まえて、全国の大学では、学生をサポートするために、さまざまな取組を講じており、文部科学省では、学生サポートの参考にすべく、効果的な取組を同省Webページで公開している。
学生の食支援と商店街の売り上げ貢献
弘前大学では、学生へのアンケート調査の結果、経済的に困窮している学生の多数が食費を削っていることが判明。このため、地元商工会議所と連携して、学生の健康維持のための食事支援と、新型コロナの影響を受けた地元の活性化に貢献するために「弘前大学コロナに負けるな!」と銘打ったプレミアム食事券を販売。5000円分を2000円分と、大幅にディスカウントし、学生の健康保持と、地元商店街の売り上げ貢献につなげている。
差額の3000円分のうち、2000円は弘前大が集めた寄附金により、残り1000円分は商工会議所が県の補助金を活用して負担。宣伝費は市の補助金を活用した。3000枚発行し、学生は市内の飲食店で使用することができる。
さらに、寄附金やクラウドファンディングで集めた資金をもとに、「100円夕食」を学内の食堂で提供するとともに、地元飲食店の救済も兼ねた「100円昼食弁当」事業を展開。これまで行ってきた「100円朝食」と合わせて約4万4000食を提供した。
「100円夕食」「学生応援ランチ」
また、関西大、千葉工業大、摂南大など私立大学でも、サポート事業が行われている。関西大では、コロナ禍で困窮する学生を「食」で支援するため、「100円夕食」として、栄養バランスの取れた弁当を日替わりで1日150食販売。保護者会や生協などの協力を得て行っている。
千葉工業大では、全学生が食事の心配がないように、学食で利用できる食券を一人当たり2万円分支給。摂南大では、厳しい状況にある学生をサポートするため、「学生応援ランチ」の無料チケット2400食分配布した。