福祉医療機構(WAM)がこのたび、新たな調査レポートを公表した。特別養護老人ホームの人材確保に関して現況を伝える内容だ。
調査は昨年10月にWebで行われたもの。全国の特養、949施設(919法人)から有効な回答を得ている。
それによると、人材紹介会社の手数料について、77.5%が「とても高い」、18.6%が「やや高い」と答えており、これを足すと96.1%にのぼっていた。昨年度、特養が人材紹介会社に支払った手数料の平均は284.4万円。
また、人材紹介会社を通じて採用した職員の定着率を通常の採用で入った職員と比べた結果では、53.6%が「同じくらい」、43.2%が「低い」としていた。人材紹介会社の満足度は、「とても不満」が30.0%、「やや不満」が48.6%。あわせて78.6%が不満を持っていると報告されている。
福祉医療機構はレポートで、「介護分野は公定価格。人材不足の状況下では人材紹介会社に頼らざるを得ず、これを報酬に転嫁できないため経営が圧迫されることになる」と説明。「今後、更に厳しくなることも予想される」との見通しを示した。
また、「悪質な業者も一部で存在している。悪貨が良貨を駆逐するように優良な業者が駆逐されないよう、取り引き先を選ばざるを得ない」とも指摘している。