介護職を対象としたコロナ禍に関する緊急アンケート調査で、感染防止の対策としても欠かせない使い捨ての手袋が「手に入らない」との声が多く寄せられている。
「現在、何か困っていることはありますか?」この質問に対し、介護職の33.2%が「衛生用品関連」と回答。具体的な悩みを書いてもらったところ、仕事用の手袋に関する内容が特に目立つ結果となった。「品薄」「必要な時に買えない」「入手が困難」「発注しても届かない」「高くなった」などの記載が多い。
この緊急アンケート調査は、介護職で組織する労働組合(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン)が先月に実施したもの。全国797人の介護職から有効な回答を得たという。
「価格が急騰している」「値段が以前の4倍になった」との報告もみられる。「使用する枚数自体が増えている」「日々の在庫管理に神経を使っている」「経費が増えた」「自費で用意しているケースもある」などの記載もあった。
NCCUの村上久美子副会長はこうした状況を踏まえ、「国はマスクが必要な事業所はないかと呼びかけているが、今はマスクではなくグローブを手配して欲しい。この現状に速やかに対応して頂きたい」と話している。
今回の緊急アンケート調査ではこのほか、消毒液や防護具、ペーパータオル、バイタル測定機器などが「手に入らない」、あるいは「高い」との声も寄せられていた。
■ 感染予防策やメンタルヘルス、検査や慰労金でも疲れの声
調査ではこのほか、感染予防対策に関連して、「会社が示す対応策が、ちぐはぐで統一されていないので現場が混乱している」「自分を介して感染させてしまったらと常に神経質になって感染予防対策を行っている」「コロナが収まるまで、又は風邪の症状でもサービスをキャンセルなさるご利用者もいる」といった答えが集まった。
さらに、メンタルヘルス関連には、「ご家族から面会の強い希望があり、その対応の中で家族からキツイ言葉を受け、メンタル的に堪えられなくなっている」などが、PCR検査関連には、「介護職員は安心して仕事ができるよう、定期的にPCR検査を受けさせてほしい」などが、慰労金関連には「まだ貰えていない、いつ貰えるか分からない」「一度だけの慰労金で済ませないでほしい」などの声が寄せられている。
また、政府が観光復興などを目的に進めたが、一時的にストップする事態となった「Go Toトラベル」に対しては、「反対」(26%)と「どちらかといえば反対」(47%)の計73%が反対を表明。「Go Toイート」へは、「反対」(20%)と「どちらかといえば反対」(45%)の計65%が反対する意向を示していた。