国土交通省がまとめた令和元年空き家所有者実態調査結果によると、空き家の半数以上に腐朽・破損があり、特に別荘や貸家・売却用等以外の「その他」の空き家では6割を超えることなどが明らかになった。
調査は、全国の空き家について利用状況、管理実態などを把握し、空き家に関する基礎資料を得ることを目的とするもの。平成30年住宅・土地統計調査(30年10月1日現在)の調査区から無作為に抽出した調査区内で、「居住世帯のない世帯(空き家)を所有している」と回答した世帯を調査対象とした。調査対象数は1万2151世帯で、有効回答数は5791世帯、回答率は47.7%となっている。
最寄りの鉄道駅からの距離については、空き家の約4割は、最寄りの鉄道駅から2000m以上離れているが、貸家用の空き家の約半数は、鉄道駅から1000m未満に立地している。
所有世帯の居住地からの所要時間については、所有世帯の約7割は、空き家まで1時間以内の場所に居住している。また、貸家用やその他の秋田を所有している世帯は、比較的近くに居住している割合が大きく、1時間以内が8割を超えている。
空き家の管理頻度については、「月に1回~数回」の割合が最も多く約4割であり、二次的住宅・別荘用の空き家の利用頻度についても「月に1回~数回」の割合が最も大きく約4割であった。
登記又は名義変更について、空き家を取得した際に、登記の名義変更や新たに登記を行った割合は約8割であった。また、利用現況がその他の空き家や、相続により取得した空き家は、「いずれも行っていない」割合が約2割みられる。
今後5年程度の利用意向は、「空き家にしておく」が約3割、「賃貸・売却」や「セカンドハウスなどとして利用」がそれぞれ約2割みられる。
賃貸・売却の場合の課題は、「買い手・借り手の少なさ」が約4割、「住宅の痛み」が約3割、「設備や建具の古さ」が約3割の順となっている。
寄付・贈与の意向があるもののうち、一定の費用負担を伴っても寄付・贈与をしたい人の割合は、約4割であった。
空き家にしておく理由は、「物置として必要」が約6割、「解体費用をかけたくない」が約5割、「さら地にしても使い道がない」が約4割の順となっている。