偶然、カープの25年振りの優勝を目の当たりにする幸運に恵まれた。
当日、東京ドーム周辺は試合開始前から異様な熱気に包まれ、ジャイアンツファンのトレード色のオレンジを圧倒する赤シャツ軍団がドーム周辺を占拠し、球場に入りきれなかったカープファンで仮設応援席も満杯。
赤シャツで埋め尽くされたジャイアンツのホーム、東京ドームは、この日はカープの優勝を確信する大勢のカープファンに圧倒されていた。
球場内に入ると、案の定、スタンドの多くはカープファンで埋め尽くされ、レフトスタンド、三塁側スタンドに限らず、一塁側スタンドにも多くのカープファンが。
このような光景は稀、しかもカープファンの熱狂的な応援には脱帽せざるを得ない。
カープの応援歌「それ行けカープ」が何度も大合唱され、ドーム内に大きく轟くなかで試合開始。
優勝へのマジック1が点灯したこの試合。初回に坂本の2ランで先制を許したが、その後の黒田の力投や、鈴木、松山の連続本塁打、そして圧巻は鈴木の2打席連続本塁打、スタンドの興奮は最高潮に達した。ベテラン、若手が一体となり、見事ジャイアンツを下して悲願の優勝を手に入れた。
広島東洋カープは12球団で唯一親会社を持たない「市民球団」。選手の平均年棒も格段に安い。かつて、球界再編問題が生じたときは、消えゆく球団の候補に挙がったこともあったが今は様変わりである。
地元マツダスタジアムは連日大入り、全国各地に展開する「カープ女子」も手伝ってビジターでも観客動員が増加、まさに市民が育てた市民の球団となり、そして今回の優勝である。
今回の広島東洋カープの優勝は、地元、地方への経済波及効果、あるいは活性化など、日本がめざす「一億総活躍社会」、あるいは「観光大国ニッポン」への実現に向けてのヒントとなるかもしれない。