農林水産省は、消費者庁、環境省、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会と連携し、今月から来年1月にかけて「おいしい食べきり」全国共同キャンペーンを実施しており、今年も外食時の食べきりを進めているほか、家庭での食べきりを呼びかけている。
わが国の「食品ロス」は年間約612万トンと推計されており、昨年10月に施行された「食品ロスの削減の推進に関する法律」では、消費者・事業者・地方公共団体を含む様々な主体が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進していくこととされている。
「おいしい食べきり」全国共同キャンペーンはこうした取組の一環として、毎年会食の機会が増える年末年始に実施されているもので、今年も12月から来年1月までの間、食品ロス削減の普及啓発に取り組むとしている。また、今年度は、外食時の食べきりのほか、新型コロナウイルス感染症対策として、テイクアウト等による家庭での食事の機会が増加する可能性も考慮し、家庭での食べきりについても啓発を行っていく方針だ。
主な取組の内容
〔外食時の食べきりを呼びかける普及啓発資材の提供〕
農林水産省では、外食事業者等が消費者に残さず食べきることを呼びかけるために、店舗で使える啓発資材(三角柱、ポスター)のホームページでの提供を行っている。これらの啓発資材は、農林水産省ウェブページからダウンロード可能。
また、消費者庁では、消費者に外食時に実践してもらいたい取組についての普及啓発資材を作成し、地方公共団体、民間団体、学校等に配布している。今年度は、新型コロナウイルス感染症への対策をしながら、外食を楽しみ、食べきることを実践してもらうため、新たな啓発資材を作成している。これらの啓発資材は、消費者庁ウェブページ「『おいしい食べきり』全国共同キャンペーン」からダウンロードすることができる。
さらに、農林水産省を含め、関係省庁の食堂等では、普及啓発資材が展示されており、職員への食べきりの周知が行われている。
〔外食時の食べ残し対策の優良事例・ノウハウの横展開〕
農林水産省では、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会と共同で、飲食店舗における食品提供、食材使いきり等の工夫等を例示した「飲食店等の食品ロス削減のための好事例集」を作成している。また、農林水産省、消費者庁、環境省は、外食時に食べきれず残した料理を持ち帰る際のポイント等についてまとめた「外食時のおいしく『食べきり』ガイド」も作成しており、外食事業者に向けて広く活用を呼びかけている。
さらに、どうしても食べきれない場合に「mottECO(もってこ:食べ残しを持ち帰る行為)」を自己責任の範囲で行うことについても啓発している。
このほか、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会では、令和2年度外食時の「おいしい食べきり」全国共同キャンペーンにおける協議会参加自治体の取組内容など、実施予定一覧の周知も行っている。
〔第4回食品ロス削減全国大会(富山大会)〕
食品ロス削減に向けた全国的な機運の醸成を図るため、富山県、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会の主催、農林水産省・消費者庁・環境省の共催で、12月16日に「第4回食品ロス削減全国大会」が富山県で行われる。