来春卒業予定大学生の就職内定率は、10月1日現在で69.8%と、この時期としては5年ぶりに70%を割り込んだことが、文部科学・厚生労働両省の調査で明らかとなった。前年同期比7.0ポイントダウン。下落率はリーマンショック翌年の2009年に次いで過去2番目の大きさとなった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響の大きさがあらためて浮き彫りとなった。両省では大学等の就職相談員と新卒応援ハローワークの就職支援ナビゲーターとの連携によるサポートを行っているが、今回明らかになった厳しい状況を踏まえて、関係府省と連携し、新卒者などの雇用に関する施策の推進に努める方針だ。
大きく落ち込んだ大学生の就職内定率の内訳をみると、男子は68.8%、女子は70.9%で、それぞれ前年同期比7.3ポイント、6.7ダウン。校種別では国公立が前年同期比7.5ポイント減の71.9%、私立は同6.8ポイント減の69.1%で、国公立は男子が70.6%(前年同期比7.6ポイント減)、女子が73.3%(同7.5ポイント減)。私立は男子68.3%、女子70.1%で、それぞれ前年同期と比べて7.2ポイント、6.4ポイント悪化した。
文理別では、文系が前年同期比7.5ポイント減の68.7%、理系が4.8ポイント減の74.5%となった。このうち文系は国公立70.6%(前年同期比7.8ポイント減)、私立68.3%(同7.4%減)で、理系は国公立74.5%(7.2ポイント減)、私立74.6%(3.0ポイント減)。文系は国公立・私立いずれも、理系は国公立が7ポイント以上も昨年10月を下回った。
地域別では、北海道・東北地区と中国・四国地区が昨年秋から10ポイント以上ダウン。中四国地区は10.4ポイント減の59.7%、北海道東北地区は10.3ポイント減の64.2%という結果となった。このほかの地区も就職状況は悪化しており、近畿地区で前年同期比8.1ポイント減の71.5%、中部地区が6.5ポイント減の67.9%、関東地区で6.1ポイント減の74.4%、九州地区が2.5ポイント減の64.4%と深刻な状況となっている。
全学生から大学院進学希望者などを除いた就職希望率は、大学生全体で79.2%(前年同期比0.8ポイント減)となり、国公立は56.7%(1.5ポイント減)、私立90.4%(0.4ポイント減)だった。
短大の就職内率は前年同期比13.5ポイントダウンの27.1%、高専は2.4ポイントダウンの93.8%となった。