2020年11月26日 個人・団体73件を文科大臣表彰 障害者の生涯学習支援活動

文部科学省は、今年度の「障害者の生涯学習支援活動」の文科大臣表彰を個人11件、団体62件の計73件に贈ることを決めた。表彰式は12月8日にオンライン開催する。例年実施している事例発表会については、後日、ウェブ配信を予定している。

障害者の生涯学習支援活動に係る文科大臣表彰は、障害者の生涯を通じた多様な学習を支える活動を行う個人、団体の功績をたたえるもの。

今回、大学における学習のうち、国立大学では、東京学芸大「ふれる・もつ・かんじる」展実行委員会、長岡技術科学大地域児童生徒・障害支援のためのパソコン教室「みんなのパソコン教室」、広島大大学院人間社会科学研究科附属特別支援教育実践センターの取組みが表彰を受ける。

学芸大の取組は、2009年から実施しているもので、重度重複障害児を対象とした特別支援教育及びインクルーシブ教育のモデルを探るとともに、大学近隣の地域にそれらのモデルを提唱していくことをねらいとして、毎年テーマを決め、特別支援学校の児童・生徒と大学美術科の学生の作品の展示及び交流活動を行っている。こうした活動は、地域の障害の有無を超えた、主体的な学び場づくりのモデルとなっている。

長岡技科大の取組は、2017年から実施しているもので、軽度な知的障害の重複を含む発達障害のある児童生徒と、就労移行支援事業所に所属する総合支援学校卒業生を対象として、パソコン教室を開催。新型コロナ感染症拡大防止のための遠隔教育にも取り組んでいる。地域の支援を得つつ、障害のある当事者同士のピアサポートの輪も広がっている。

広島大の取組は、2007年から実施しているもので、障害のある幼児・児童生徒・成人・保護者・教員等への臨床・研修業務を実施するとともに、障害のある人の生涯学習支援を支える実践的活動として、地域と連携し、「アートは世界を生活と社会を変える」「視覚障害者のためのiPhone活用研修会」「吃音のある学生のための就活講座」「特別支援教育サポーター活動」等の取組を実施している。障害者の生涯学習支援活動を支える人材の輩出や、地域での生涯学習の推進につながっている。


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