農林水産省は、若い世代の食生活の現状を分析するために昨年11月に実施した、18歳から39歳までの男女2000人を対象としたウェブによるアンケート調査の結果を公表した。それによると、起床から外出までの時間が1時間未満の人の約3割が朝食を「ほとんど食べない」と回答していたほか、朝食の摂取状況と経済状況の間に関連があることが示唆された。
「第3次食育推進基本計画」では、「若い世代を中心とした食育の推進」を重点課題の1つに掲げている。しかし、若い世代(20歳代・30歳代)は、朝食欠食者が多いなど、他の世代より課題が多い現状がある。
こうした状況を受け、農林水産省では、若い世代の食事習慣を含む生活の実態や意識、経験等を把握するとともに、その背景を探ることを目的に、ウェブによるアンケート調査を実施した。
調査対象は18歳から39歳までの男女2000人。実施期間は令和元年11月11日から18日まで。
― 調査結果のポイント ―
調査結果によると、朝食を「ほとんど毎日食べる」と回答した人が過半数を占めた。しかし、「ほとんど食べない」と回答した人が2割を超えている。特に、起床から外出までの時間が1時間未満の人の約3割が朝食を「ほとんど食べない」と回答していた。
また、朝食や主食・主菜・副菜を組み合わせた食事について、自分の健康に良い等のプラスのイメージを持っている人が多かった一方、作る(準備する)のが面倒というマイナスのイメージを持っている人もいた。
経済状況との関連をみると、「生活が苦しく、非常に心配」と回答した人の約4割が朝食を「ほとんど食べない」、約半数が主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べる頻度が「ほとんどない」と回答している。
さらに、日頃から健全な食生活を実践することを心掛けている人と心掛けていない人は、ほぼ半々だった。
小学生の頃の食生活との関連をみると、「常に心掛けている」、「心掛けている」人ほど、「1日3食決まった時間に食事をしていた」、「家族揃って食事をしていた」など、健全な食生活を実践していた人や、「学校で、食に関する指導を受けていた」人が多かった。