国土交通省が研究開発すべき課題、実施すべき施策等について議論を行っていた「国土交通技術行政の基本政策懇談会」(座長:石田東生筑波大学特命教授)は3日、国土交通技術行政を巡る最新の課題、施策についての議論、施策についての議論に加え、新型コロナウイルス感染症の対策の提言を含め、セカンドステージのとりまとめを公表した。この中で、技術政策の進め方(横断的課題)として、データ駆動型の行政の推進、政策部局間、産業間の連携、技術の社会実装の迅速化、技術の社会実装の定着化をあげた上で、具体的な施策としてデータ利活用戦略の策定及びデータ絵連携基盤の構築、データ駆動型行政を推進する体制の構築、パブリック・アクセプタンスの知見形成など提言。また、コロナ対応として、社会システムそのものの強靭化、評価における安全保障の重視などを求めている。
主要技術政策の方向性では、新たなモビリティサービスについて、政策の方向性として、地方部での公共が担うべき役割の明確化などを掲げた。具体策として、プラットフォームの連携強化を国が率先して実施することなどを提案している。また、コロナ対応として、大都市圏の鉄道における積極的な混雑緩和策の検討、地方のモビリティ確保に向けた技術的方策の検討などを提言している。
都市・地域マネジメント戦略では、データ駆動型産業の新展開、Society5.0と都市マネジメントを政策の方向性として掲げ、具体的な施策として、まちづくり・都市計画へのマネジメント思想の導入などを提案。また、コロナ対応として、ビッグデータの利活用環境の整備、人の密集度、空間リスクの共有のための都市情報プラットフォームの構築などを求めている。
国際ゲートウェイ(港湾・船舶・空港)では、利用者のニーズに応じたAIによる世界最高水準のサービスを提供できる国際コンテナ港湾の整備などを政策の方向性として掲げた。その上で、港湾におけるコンテナ蔵置計画の最適化等、地方空港におけるターミナル地域等の整備などの施策を提案した。また、コロナ対応として、感染終息後の反転攻勢期に向け需要の回復状況を見ながら機能強化を検討することなどを求めている。
物流・ロジスティクス政策では、自動運転・隊列走行、AI活用、ロジスティクス改革など技術的色彩の強い確信、物流のシームレス化などを政策の方向性として掲げた。その上で、具体的な施策として、自動運転、ドローン配送、生活支援サービスの実施などをあげている。また、コロナ対応として、感染防止の観点から宅配ロボット等の新技術の導入、人手不足や過酷な労働環境を直視し、物流の自動化等に向けた技術革新の推進をあげている。
防災・減災、国土強靭化では、期待値の分布範囲を考慮した防災対策、水災害について、地球温暖化の影響を踏まえた広域避難に関する新ビジョンの打ち出しなどを制作の方向性として掲げた上で、具体的な施策として、雨水浸透やグリーンインフラ等の流域管理や総合的治水の観点の導入などを求めた。また、コロナ対応として、社会資本整備を考える視点に、新型コロナウイルス感染の観点を追加、避難所における3密の回避や、逃げなくていい立地行動への誘導などを提案した。