ライオン株式会社が20代から60代の男女300名を対象に行った調査によると、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛生活により、三人に二人となる約65%が「目の疲れ」を感じていることが明らかとなった。パソコンに向かっている時間がオフィスワークよりも増えているとともに、自宅に籠ることにより、余暇でパズルなど行っていることも関連しているという。一方で、目の不調があってもケアをしている人は約半数に過ぎず、運動不足やストレスに比べて、目のケアに対する意識不足が浮き彫りとなった。
約3割の人が「ストレスを感じることが増えた」と実感
外出自粛生活による負の影響について具体的な内容を聞くと、最も多い回答は「ストレスを感じることが増えた」で(28.0%)となった。また、「間食が増えた」(27.7%)、「あまりやる気が出なくなった」(18.7%)、「よく眠れなくなった」(14.7%)などさまざまな影響が出ていることがわかった。
外出自粛により最も疲れや不調が増えた身体部位は「目」
外出自粛生活が続くことで体のどの部位に疲れを感じることが増えたかを聞いたところ、テレワーク実践の有無に限らず「目」が(43.0%)と、最も多かった。さらに、疲れだけでなく不調を感じることが最も増えた部位も同じく「目」で、(21.0%)が回答した。
「目の疲れが増えた」と回答した4割以上が「ストレスを感じることが増えた」と実感
外出自粛下で感じているストレスと「目の疲れ」との関連性を分析したところ、「目の疲れが増えた」と回答した人の41.9%が「ストレスを感じることが増えた」と回答していることが明らかとなった。「目の疲れは増えていない」人と比較すると、心身への影響(ストレス、やる気が出ない、よく眠れない)を訴える人の割合が2倍以上多いこともわかった。
テレワーク実践者の7割以上が目の疲れを実感 外出自粛生活で、目の酷使の実態が明らかに
外出自粛生活で、64.7%の人が「目の疲れを感じている」と回答している。テレワーク実践者に限定すると72.0%が「目の疲れを感じている」という結果となった。
テレワーク実践者に「PC仕事の増減」について聞くと、約5割以上が「パソコン仕事が増えた」と回答している。特に50代の33.0%が「とても増えた」と回答していることもわかった。また、増加した時間を自粛前と比較してみると、PC仕事時間が1日平均4.5時間から5.7時間へと自粛前に比べて27.0%増加。テレワーク実践者の目の負担が増えている実態が浮き彫りとなった。
さらに、外出自粛生活で、目の疲れに影響のある行動を探るため、自粛生活の中で作業時間が増えた作業ごとに目の疲れを感じている人の割合を算出。その結果、「タブレットでゲームをする」時間が増えた人が91.7%と最も高く、続いて「細かい作業をともなう趣味(絵を描く、パズル、書道など)」(88.9%)、「模型・プラモデル作り」(83.3%)の時間が増えた人が目の疲れを感じる割合が高かった。
このほかにも、20~30代の約6割がテレビ視聴時間が増えたと回答しており、「目の疲れ」がテレワークだけでなく外出自粛生活による余暇の過ごし方とも関連していることがわかった。
「目の疲れ」のケアを「特にしていない人」が6割
外出自粛下で目に負担がかかる作業時間も増加し、多くの人が目の疲れを感じている。その一方で、「目のケアを実施しているか」を聞いたところ6割は「特に何もしていない」と回答。また、「目の不調を感じることが増えた」と訴えている人でも、約半数は、目の疲れのケアは「特に何もしていない」(47.6%)」という結果になった。目の疲れや不調を感じていても目のケアはおろそかになっているようだ。
外出自粛下でのケア意識についても聞いてみると、「運動不足ケア」(39.0%)、「体重管理」(30.7%)、「栄養バランスのケア」(22.7%)などのケア意識は高まっていたが、目の疲れに対するケアの意識は7位(19.7%)と低いことがわかった。