新型コロナウイルス感染症による運動への意識変化を把握するため、ロコモチャレンジ!推進協議会が実施したアンケート調査によると、政府の呼びかけを受け市民の52.6%が昨年度の同時期に比べ外出機会の減少を、40.3%が運動機会の減少を指摘している。特に60歳以上の女性では外出減62.6%、運動減52.8%にのぼる。
外出が減っている人の中で控えているものとしては、「外食」が61.5%で最多、習い事やスポーツジムに行くことを控えている人の割合は約2割だった。
「自宅で動かないでいる時間が増えた」との回答が約3割で、外出が減った回答者の7割以上が「自宅での運動方法に興味がある」と回答した。
子どもの運動機会が減っていると回答した人に割合は全体の約4割で、40代女性においては約半数が自分自身のあるいは、周囲の子どもの運動機会の減少を感じている。
ロコモチャレンジ!推進協議会は、外出や運動機会が減ることで、日常の運動および活動量不足となり、ロコモティブシンドロームになる人、また、ロコモの進行が増す人の増加を懸念しており、現在だけでなく将来の身体への影響も鑑み、これまでより一層に、自宅や室内での運動機会の創出、どこでも手軽に始められる運動方法の周知を行っていく。
現在も同協議会ホームページ「ロコモONLINE」において自宅で誰でもすぐにでき、ロコモ予防に効果の高い「ロコトレ」を紹介しているが、全世代の運動不足を防ぐため、ロコトレの普及啓発を推進していくほか、家庭内ですぐできる運動方法をWEB配信で情報提供する予定。
〈大江隆史委員長コメント〉
「健康を維持するための身体活動量は生活活動量と運動(スポーツ)の量の総和です。新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークによる通勤の減少や人が多く集まる場所への外出の自粛などが生活活動量の不足を、学校の休校、スポーツイベントの中止、スポーツ施設の休業などが運動(スポーツ)の量の不足を招いています。
この事態は子どもから高齢者まで全ての年代に生じており、新型コロナウイルス感染症自体に加えて、身体活動量の不足によっても健康を損なう恐れが高まっています。高齢者を含め全世代的に手軽にすぐできるロコトレや、自宅や風通しの良い場所での運動で身体のメンテナンスを行っていただくことを願います」
ロコモチャレンジ!推進協議会は、日本整形外科学会が立ち上げた任意団体。東京都文京区本郷に本部を置いている。
ロコモを、医療・企業・行政の枠を超えて社会的に取り組むテーマだと考え、広くロコモを啓発し、ロコモに負けない社会をつくるため、運動器の機能の維持・改善を支援するとともに、運動療法や薬物治療などを含む適切な医療を提供することを目指す。
ロコモに関する正しい知識の普及と予防意識の啓発を行っている。協議会では、会員企業・団体を募り、連携しながらロコモ予防を社会運動化していく方針。